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「ミッドナイト・イン・パリ」感想(ネタバレあり)

非常に今更ですが、フランス好きだしウディ・アレンも好きだから見ねば見ねば、と思って昨日やっと見ました。けど、あんまりおもしろくなかった。
思いっきりネタバレしてますのでご注意ください。

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(映画.comよりお借りしました)

作品情報


あらすじ

アニー・ホール」「それでも恋するバルセロナ」のウッディ・アレン監督・脚本によるラブコメディ。ハリウッドで売れっ子の脚本家ギルは、婚約者イネズと彼女の両親とともにパリに遊びに来ていた。パリの魔力に魅了され、小説を書くためにパリへの引越しを決意するギルだったが、イネズは無関心。2人の心は離ればなれになり……。キャストはギルにオーウェン・ウィルソン、イネズにレイチェル・マクアダムスのほか、マリオン・コティヤール、仏大統領夫人としても知られるイタリア出身の歌手カーラ・ブルーニら豪華スターが顔をそろえる。第84回アカデミー賞では、アレン自身3度目となる脚本賞を受賞した。(ミッドナイト・イン・パリ : 作品情報 - 映画.com)

パリパリパリパリパリ!

オープニングからいきなりパリの観光地の美しい景色を山ほど見せられます。エッフェル塔凱旋門、サクレクール、サンラザールのあたり、パンテオンノートルダム大聖堂、ポンデザール、アレクサンダー3世橋、オベリスクルーブル美術館、テュイルリー公園……本編が始まる前にもうお腹いっぱいだよってくらい始まる前のパリの映像が長いです。げぷ。フランス好き・パリ行ったことある人同士で見ると「あ、ここ行ったわ!」「ここも行ったわ!」と盛り上がれます。いきなりオシャレ感がすごい。音楽もゆったりした感じのジャズ調でレトロで、まーこの映画にぴったり。おっしゃれー。どんな話か楽しみ楽しみ。とワクワクしてくるわけですが、ほぼオシャレに終始しただけって感じでした。


名前は知ってるけどさ……

主人公ギルくんは憧れのパリに遊びに来たものの、あんまり噛み合わない婚約者(「パリになんか住みたくない、マリブに住みたい」とかのたまう)や鬱陶しい彼女の友達カップルにうんざりして、ひとり夜のパリを徘徊します。適当に歩いてるうちに迷ってしまったところ、なんだか古めかしい車がやってきて、「乗りなよ!」と言われるまま乗り込みます。
そうするとあら不思議、1920年代にタイムスリップしちゃうんですね。

そのままパーティに参加してみたら、『グレート・ギャツビー』のフランシス・スコット・フィッツジェラルドとその妻ゼルダがいてびっくり。実はそのパーティはジャン・コクトーが主催していたり、ヘミングウェイと出会ったり、他にもガートルード・スタインだのピカソだのダリだのと、いろんな人に出会って、1920年代が大好きなギルは「うっひゃー!」となるんですね。

ただ、私には教養が足りないので、1920年代のスーパースターに会って興奮している主人公に感情移入できないというか……そのあたりの有名人の名前は知ってるけれど、ギルくんの「うっひゃー!」に共感できない。『グレート・ギャツビー』(村上春樹訳)しか読んだことない私、取り残されまくり。それにいろんな有名人が出てきすぎて、割と一人ひとりとの関わりは薄めな感じでした。(ヘミングウェイとかガートルード・スタインとはそうでもない感じだったけど)
これだけ有名人を出したり有名な俳優にやらせたりしてる割には、もったいないなーって感じがいたしました。(キャシー・ベイツエイドリアン・ブロディは知ってたけどトムヒが出てるとは思わなんだ)

懐古厨同士だから合ってたのかもね

そうやって毎晩タイムスリップを楽しむようになるギルくんですが、あちらの時代でファッションの勉強のためにボルドーから出てきた女の子・アドリアナ(マリオン・コティヤール)と恋に落ちたりします。
でも一応婚約者いるし……と葛藤するものの、ダリやマン・レイには「そんなのフツーフツー」と言われ、余計に悩む。
まあそんなこんなで彼女からピアスを盗んでプレゼントしようとしたりいろいろあるわけですが、彼女もギルくんと同じように、自分がいる時代に満足してないんです。懐古厨なんです。「19世紀ベル・エポックがよかった」と言うんですね。そうしたら、今度は2人でベル・エポックにタイムスリップしちゃったり……
その中でギルくんは過去ばかり見て生きてくことの馬鹿馬鹿しさに自分で気づくんですね。そして現代に戻って、ビミョーな婚約者と別れて、骨董屋の店員のかわいいパリジェンヌ(レア・セドゥ)といい感じになり、おしまい。
結構あっさり終わってしまいます。今まではなんだったんだ……。ウディ・アレン映画は終わり方があっさりしてることは少なくない気がしますが、今回はなんだかもやーっと。今までのごちゃごちゃは何だったんだ……

アカデミー脚本賞とっただけあって(?)、台詞回しとかはかっこよかった感じがありましたが、あとはひたすらにパリがおしゃれで俳優陣が美しいばかり、という感じでした。まだまだそんなに詳しくはありませんが、同じウディ・アレンならもっと面白い映画があると思いました。これが話題になったのは豪華キャストとパリのおしゃれ感、他のウディ・アレンよりとっつきやすい雰囲気のおかげでは。
ただ、「うおおおおおパリ行きてえええええええ!!!!」という気持ちになるのは否定できません。パリの街は本当にきれいにおしゃれに撮られていました。でも本当にそれだけ。ストーリーにはそんなに惹きつけられなかった。

余談ですが

  • 途中で出てくるポリドールってビストロ、美味しいですよ!量は結構多いけどな!!友達に連れて行ってもらって何回か行きました。値段はまあパリだったら普通くらいなんだろうか。この映画の撮影の時の写真とかもちょこっと窓に貼ってあったりします。内装とか店構えは本当に映画のまんま、過去から抜け出してきたかのようです(いい意味で)。
  • ギルくんが車を待っているあの場所は、サン・テティエンヌ・デュ・モン教会です。ステンドグラスが超きれい。あんまり大きくないですがちょっと変わった作りで面白いです。パリの守護聖女であるサント・ジュヌヴィエーヴの聖遺物があったりします。ちなみにサント・ジュヌヴィエーヴ教会というのはパンテオンの元のお名前らしいです。
  • ちなみにサン・テティエンヌ・デュ・モンの真横にはパリの名門・アンリ4世高校があります。ここからみんな名だたるグランゼコールに行くわけですな。柵越しにちょっと覗けるけど不審者扱いされるかもです。ただその柵越しに見える校内、めっちゃ美しいです。

ウディ・アレンならこの映画が好き。ジャスミンにイライラすると同時に、どうしようもなさにニヤニヤしてしまいます。

ミッドナイト・イン・パリ」は観光地ばっかりだったけど観光地じゃないところも使われているパリ映画。