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「ハヤブサが守る家」が見たすぎるので私が好きなティム・バートン作品を紹介する
はい。更新が空いてしまいましたが。
今週遊ぶのに忙しかったもので眠くって……それと今おもしろい本を読んでいるので電車の中で書いたりする余裕もなかったのであります。
本日は突然ですがわたくしが好きなティム・バートンちゃんの映画をご紹介。
先日やっと彼の最新映画「ハヤブサが守る家(原題:Miss Peregrine's Home for Peculiar Children)」のトレイラー(予告編)を見まして、触発された次第であります。
彼の作品としては久々に超面白そうです。
ミス・ペレグリン(日本人だったら隼さん?)が守っている不思議な子供たちのための孤児院のお話みたいですが、こわいクリーチャーと戦ったりする要素もあるみたい。フリークショー的な要素×子ども×謎解き×バトルとかわくわくしちゃうやないかい……!「ティム・バートンがX-メンを撮ったら?」なんて例えられ方もしています。言いえて妙。(笑)
ちなみにこの「ハヤブサが守る家」、原作は児童文学のようでこちらもとても面白そう。
こちらが原作日本語版。表紙からもわかるのですが、不思議な古い写真がところどころ挿絵的に入っていて、なかなか雰囲気を盛り上げてくれるらしいし、実はこれが内容にもかかわってくるとか。
ちなみにこちらは英語版。こっちのほうが表紙の感じが好みです。不気味!
勉強もかねて買って読んじゃおうかなぁと、ちょっと迷っています。
(ちなみに日本語版より値段安かった)
本国では今年の9月30日公開のようなので、日本に来るのは来年かな~。
さて、ここからは私が好きなティム・バートンちゃんの作品についてちょっとご紹介してみる。
ビッグ・フィッシュ
主人公のウィル(ビリー・クラダップ)は父・エドワード(アルバート・フィニー/ユアン・マクレガー)からいろいろなおとぎ話を聞かされて育ちます。ウィルもそれが大好きだったのですが、大人になるにつれそれが嘘だと気付き、素直に話が聞けなくなっていきます。いつもいつもおとぎ話ばかり語る父に、我慢ができなくなって、ウィルは自分の結婚式でお父さんにブチ切れてしまいます。それ以来、3年ほど仲違いしたままだったある日、母・サンドラ(ジェシカ・ラング/アリソン・ローマン)から「お父さんが倒れた」という知らせが入ります。久しぶりに会うお父さんは相変わらずホラ話ばかり。本当の話をしてほしいウィルは、お父さんと分かり合えるのか……
というようなお話です。
ティムちゃん作品にしてはあんまりダークなシーンはなく、ただただ優しいお話です。だいたいティム・バートン映画って、ちょっと皮肉だったり意地悪だったりするところがどこかにあるのですが、そういうのが全然ない。
お父さんはほんとに冗談みたいな話ばかりしてるので、ウィルがいらだつ気持ちもわかります。でもお父さんは一見おとぎ話のように見える話の中に、真実を散りばめている。
ウィルの職業はジャーナリストの設定なのですが、そこは職業がうまく反映されてるのか、お父さんの古い持ち物の中から真実を見出そうとしていろいろ動くんです。そこからウィルはいろいろなことが見えてくるのです。
この、お父さんのおとぎ話パートと、ウィルの様子や病床のお父さん、それを見守るお母さん、ウィルの妻(あんまり有名じゃない頃のマリオン・コティヤール!)が出てくる現実パートとが交互に入るのですが、それもまた良い。おとぎ話のカラフルな世界はティム・バートンの真骨頂という感じだし、現実パートはお父さんの病気や謎解きのような要素もあって緊迫感があり、話を引き締めてくれます。
あんまり知られてないんだけど本当にいい映画なので、ぜひいろいろな人に見てほしいです。
実はこれ、小学校4年生のときに初めて友達同士で映画館に行って見た、私にとってとても思い出深い映画です。
正直そのときはよくわからなかったこともあったのですが、ラストシーンでは友達も私もぼろぼろ泣いていて、とてもスッキリした気持ちで映画館を出たのを覚えています。
大人になった今見たら、また感想も違うのかもしれません。
ちなみに、エログロ要素はほぼないと思いますが、親子の確執や夫婦の愛を描いているので、大人のおとぎ話という感じだと思います。見せることはできるかもしれないけど、子ども向けではないです……。
ちなみに来年日本でビッグ・フィッシュのミュージカルをやるそうですよ。エドワード役は川平慈英さん。言われてみればユアン・マクレガーに似て、る……?
サイトはこちら。
ビートルジュース
「ビッグ・フィッシュ」とは打って変わって、スーパー馬鹿馬鹿しい映画ですよ!(笑)
このシマシマスーツを着てる白塗りの奇人がビートルジュース(見た感じ全然わかんないけどマイケル・キートンですよ!)。彼は幽霊の住む家から人間を追い出すバイオ・エクソシストなんです。(なんじゃそりゃ)
あんまりめちゃくちゃな奴なので、幽霊界でも「こいつにだけは頼んじゃいけない」と言われているとか。
幽霊の夫婦(アレック・ボールドウィンとジーナ・デイヴィス)は彼らの家に越してきた人間一家(ジェフリー・ジョーンズ、キャサリン・オハラ、ウィノナ・ライダー)を怖がらせて追い出そうとするんですが、あんまり効果がなく、どうしたらいいものかと悩んでいました。
そんな中、人間一家の娘・リディア(ウィノナ・ライダー)は2人の幽霊の存在に気付き、仲良くなっていきます。
ある日、父がパーティを開いたので、幽霊2人は招待客ビビらせようとします。が、逆に喜ばせてしまい、幽霊博物館を作って儲けよう!という話になってしまいます。
こうなったら仕方ない、悪名高いビートルジュースを呼ぼう!ということでやっとビートルジュース登場。ここからはひたすらドタバタ劇が繰り広げられます。
ほんと馬鹿馬鹿しい映画なんですが、ビートルジュースやその他クリーチャーの造形、美少女ウィノナたん、前置きの長いストーリーなど、超ティム・バートンらしい映画だと思います。ティム・バートンのエッセンスを感じたい方にはオススメ。
日本語吹き替え版では、ビートルジュースはまさかの関西弁です……なにしろ西川のりお師匠が声あててますからね。吹き替え監修は所ジョージ氏です。日本語で見ると「なんじゃこりゃwww」感が増してよろしいかと思います。勇気がある方はぜひ日本語吹き替え版をご覧ください。
関西弁つながりなのか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのショーに出てますね。ショーの内容は全然映画と関係ないですが。
オススメしてるんだか貶してるんだかわかんないけど、私は好きだよ!けど万人にオススメはしないよ!!
ティム・バートンのコープスブライド
ティム・バートンはストップモーションアニメ(人形を少しずつ動かして1フレームずつ静止画を撮って作るアニメ)をいろいろ撮っているのですが、これが一番好きです。
ちなみに一番有名と思われる「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は、バートンは監督ではなく原案・原作。監督はヘンリー・セリックで、「ジャイアント・ピーチ」や「コララインとボタンの魔女」も監督しています。
主人公のヴィクター(ジョニー・デップ)は成金の両親の言いつけにより、没落貴族の娘・ヴィクトリア(エミリー・ワトソン)と結婚をすることになっています。最初は会ったこともない人と結婚するのは……と2人とも乗り気でないのですが、結婚式のリハーサルで顔を合わせ、お互いの控えめな性格のせいか意気投合し、結婚に前向きになります。しかし、ヴィクターはリハーサルで緊張のあまり失敗をしすぎて、牧師はブチ切れ、結婚の延期を言い渡されてしまいます。
これはまずいぞ、と思ったヴィクターは、ひとり森の中で誓いの言葉の練習をし、その辺の枝をヴィクトリアの指に見立てて指輪をはめてみます。実はそれは枝ではなく、死体の花嫁・コープスブライドの指だったのです……!コープスブライドは結婚の申し込みをされたと思い、ヴィクターを死後の世界に連れて行ってしまいます……。
コープスブライドのよさは、すごく映像が綺麗なこと。ティム・バートンの作品は映像の面白さに定評があるのですが、ストップモーションアニメだったらこれが一番だと思います。生者の世界はとても暗〜い色調で描かれており、死者の世界はカラフルでパワフル、音楽にあふれていてとても楽しげに描かれているのですが、どちらの世界にもそれぞれの美しさ・魅力がある。
なんといってもタイトルロール、コープスブライドが綺麗。生きてる人間の世界はなんとなくモノクロだけれどすこーし茶色味があるような感じで、死者の世界は極彩色でガチャガチャしてるのですが、その中にぽーっと浮かび上がるコープスブライドの青い姿。ネタバレになっちゃうので言えませんが、ラストでもとても綺麗。
誰でも面白く観られる映画ではないかと思います。
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
これはねー、心臓弱い人見られません。
なんてったって、上の階の床屋で人を殺して、下の階のパイ屋でその肉でミートパイ作って売ろうって話ですからね……それをミュージカルにしちゃうんだからねぇまったく。まあミュージカル自体はもともとブロードウェイとかでやってたようなのでバートンちゃんのアイディアではありませんが。
まあ本格的ゴア系ホラーを見てる人からしたら全くもってぬるいのでしょうが、免疫ない私は普通に怖かったしグロかった……ううう。特に最初の殺人。ただもう、回を重ねるとバシバシ人を殺していき、ちょっとオモチャみたいにも見えてくる。あんまりリアリティのある描き方はしてなくて、もはやギャグみたいでもある。
そんなコミカル(?)というかシュールなシーンもいろいろ入っているのですが、元々スウィーニー・トッドの殺人の動機としては復讐というのがあるので、話はもつれにもつれてゆきます。キャラクターそれぞれの思惑とか愛憎とかが絡みに絡んで、最後には……
これはストーリーもなかなか良いのですが、映像ももちろん綺麗だし(雑じり気ないほぼ白黒の世界に、インクみたいに赤い血が舞います)、なんといっても音楽がよい。まあ音楽はスティーヴン・ソンドハイム(「ウエスト・サイド・ストーリー」「太平洋序曲」「イントゥ・ザ・ウッズ」も作曲してる大御所)の手腕によるものかもしれませんが、映像との合わせ方とか見せ方がやっぱりとてもかっこいいのはバートンちゃんのお力でしょう。
ちなみに俳優陣の歌声はまあまあです。(笑) でも「レ・ミゼラブル」のテナルディエ夫妻、ヘレナ・ボナム・カーターとサシャ・バロン・コーエンはこの映画で実績作ったからキャスティングされたのかもね。知らんけど。
余談
現在公開中の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」ではティムは監督じゃなくて製作総指揮としてクレジットされてます。
予告編置いとこう。映像きれいなんだけどねー……前作も微妙だったのでDVDを待つかな、と思っているところです。
それと、バートンちゃん関連書籍をちょっぴり紹介。
「ハヤブサが守る家」と同じく変な子供たちという意味では、バートンの「オイスター・ボーイの憂鬱な死」もありますね。ダークさが違うけども。というかちょっとグロいくらいだけど。
ちなみにこの本、先輩が先生に頼んで買ってもらったので小学校の図書室にありました。今思うとやばい。先生もよく許したな(笑)
フィギュアとかも売ってます。お好きな方は是非。私は呪われそうだから置かないけどね。
あとこれはティム・バートンちゃんのインタビュー集的な。これも中学の時読みました。こういう人だからこういう映画作ってんだな……といろいろ納得。育ち方とかね。アメリカ西海岸郊外のハッピーで中身のない感じとか、実体験から作ってんだろうなっていう。「シザーハンズ」とか見るとわかりますね。
とりあえず「ハヤブサが守る家」、超絶楽しみです。
今度余裕があったらティム・バートンのオススメしない映画ランキングも書きます。(笑)